月別アーカイブ: 10月 2010

続 製品化までに必要な費用

前回、製品化までに必要な費用を大雑把に提示しました。ざっくり必要となる費用の単位が見えた方も多いと思われます。前回の内容はきじねこに限らずどちらの企業様で製品化をしても、10万、20万では実現が困難であることになります。そこでもう少しコストを下げる方法を検討してみたいと思います。 必要な工程の一部を出来る限りご自身で実施または管理する。 設計・評価のコストを削減するために必要な資料やデータを提示する。 大幅なコストダウンを図るのであれば、上記2点が中心となりそうです。 1.については、ご自身で管理できる工程を見つけるのですが、例えば基板設計以降を自分で管理すれば、弊社では設計と評価のみになります。そこまで出来そうにない場合でも、弊社側から提出した部品リストに記載ある物を、商社と商談をして必要数量分の手配は出来るのではないでしょうか(個人の方は厳しいと思います) 2.については、弊社側で調整が可能な工程に関してです。設計・評価をする上で部品選定や動作確認に時間を要することが少なくありません。そのため、ユーザー様に部品の指定や評価に必要なデータが存在すれば提示頂くことで、設計・評価の時間を短縮することができます。当然、その分の時間コストが削減できるわけです。 最後に、コストダウンはいつも求められる課題ですが目先のコストを落とすことに力を注ぐことが必ずしも良いとは言い切れません。上記で提案している内容は、セルフサービスで出来ることを担って頂くことでコストダウンの余地があることを記載しています。しかし、セルフサービスで担った工程について、何か不具合が発生した場合は瑕疵担保がありませんので、自己責任となってしまいます。製造上で起こりえる問題は全く無くなるわけではありませんので、ご自身で担当された工程が結果的に多額のコストを投入する事態になることも少なくありません。このあたりはユーザー様の考え方と進め方を伺った後に決定しております。

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製品化までに必要な費用

お問い合わせされる方の中には、全く「ものづくり」の流れをご存知でない方も多いと思います。流れを知らないために、概要を聞いてから「製品になるまでにそんなに費用がかかるの!」という驚きも少なくありません。では、何にどの程度費用が発生するのか具体的に書いていきます。 まずは、製品化までに費用がかかる項目を列挙します。 ・回路設計費(ソフト設計があればソフト設計費も含む) ・試作製作費(試作回数によって異なる) ・基板設計費 ・基板製作初期費用 ・実装初期費用 ●設計費 仕様にもよりますが、設計にかける時間が大きいほど費用は上がります。単純に設計時間と考えても大きく外れないと思います。よって、基本的には規模が大きくなれば設計にかかる時間も増えますので費用は大きくなります。他の要因としては、回路設計者の熟練度にも影響されます。ベテランの設計者が1時間で設計できる業務を、新人が2日で設計すれば2日分の費用となってしまいます。ソフト設計が必要な製品であれば、回路設計費+ソフト設計費となります。 ・試作製作費 設計が完了したあと、動作確認をせずに済むことはありません。後ほど説明しますがいきなりプリント基板を製作することはしません。まずは必要な部材を集めて、数台手作りで設計通りに製作して動作の確認を行います。これを「試作」と呼んでいます。 この試作で設計通りの動作や性能・精度が得られていなければ、修正や検討をしなければなりません。選定した部品が悪かったり、そもそも設計が悪かったりすることがあるので、修正や検討の内容を反映するために、再度必要な部品を集めて試作を行います。この作業が何回必要になるのかで試作に必要な費用が決まります。業界用語で「1次試作」、「2次試作」といった言葉がありますが、試作も回数を重ねるといつの試作なのか管理が必要になりますので、フェーズを表す言葉になります。 ・基板設計費 ここからはプリント基板製作に向けての工程になります。ここでの設計はプリント基板に配線されている「パターン(銅線)」をどのように配線させ、指定部品をどこに配置するのかを設計してもらいます。ここでの設計は回路図を元に配線するのですが、プリント基板の基板サイズに合うように部品を配置したり、パターン幅を電流量から設定したり、リード部品であれば端子を挿入する穴を基板に開けないといけません。つまり、部品・線などのオブジェクトを実際の物理領域に落とし込む作業を行います。回路図は基本的には接続図でしかありません。 ・基板製作初期費用 ここでは、基板設計のデータ通りにプリント基板を製作するための準備費用が必要になります。詳細は長くなるので別の機会として割愛しますが、プリント基板の多くは1枚ずつ製作されているわけではありません。数枚を1つのシートとして面付けされて製作されることが多いです。分かりやすいイメージは、板チョコのような感じでしょうか。同じサイズの基板が引っ付いて1枚の板になって製作されます。同じ品質で複製するための準備に費用がかかるのです。 ・実装初期費用 プリント基板が出来上がったら、部品を実装していかなければなりません。数台であれば自分で実装しても良いと思われるかもしれませんが品質が安定しませんし、部品点数が多いとコストが合いません。そこでマウンターと呼ばれる実装機で短時間に大量の基板に実装作業を施してもらいます。そのための準備として、どの部品をどこの位置に実装させるのかを機械に指示するプログラムを設計してもらいますので設計費用がかかります。 次に、半田を塗布する場所と塗布しない場所(してはいけない場所)がプリント基板上にはあります。実装時にきちんと分けなければなりませんので、メタルマスクと呼ばれる金属板で塗布しない場所を隠します。この金属板を製作してもらうのにも費用がかかります。 ここで述べた内容はかなり大雑把な内容になります。厳密には表現や言い回しが適切ではない箇所もあると思いますが、大体のイメージとしてください。上記工程を経て製品が出来ていくわけですが、上記一連を経て製品化までにざっと100万はかかるところです。検査や公の機関での試験費用は含んでいませんし、開発したい製品によっては設計費が大きくなることもありますので、一概に100万円とは言えません。ここでの内容でお伝えしたいのは製品化までにかかる金額単位が分からない方に目安として80万前後~数百万は必要になることを綴っています。これはあくまで参考価格のため必ずこの価格になるというわけではありませんが、10万、20万で製品化ができるわけではないことをご理解ください。

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PICマイコンは本当に安価?

過去に担当した案件も含め、PICマイコンを指定されるユーザー様が多いです。いつも「なぜPICマイコンなのですか?」と質問させて頂くのですが大半は「安価だからでしょう」との回答です。本当にPICマイコンが安価なのでしょうか? 私が調べるに、PICマイコンが安価と言えそうなのは、かなりローエンドなシリーズに限ると思います。それこそI/Oポートとタイマー機能しかないものです。LED制御などの簡単な制御で事足りる仕様には最適かもしれません。LOT=数十個~数百個で数十円程度のものもあるようです。しかし、今までのご依頼案件の仕様を満たす機能を持ったPICマイコンはそれなりに値段がするものが多い印象があります。LOT=数百個で200円前後するものが多く、国内メーカーのマイコンと比較しても大差がありません。 では、価格で大差がなければPICマイコンでも良いと思いますが、開発側からの意見として、PICマイコンの環境は国内メーカーと比較してチープだと感じています。ルネサスやNEC(統合されましたが)は無料の統合開発環境を提供しており、エミュレータも1万6000程度で購入可能です。ルネサスに至っては、SHマイコンの書き込みまで可能です。PICマイコンの開発環境も統合開発環境であるMPLABは無料ですが、標準的なエミュレータはありませんしオンボード書き込みできる品種は限りがあるようです。ライターは1万円あればサードパーティ製のものが手に入りそうですが、国内のそれとは大きく開きがあるわけではない。ローエンドになればC言語の対応も怪しいところがありますので、開発環境を含めた検討をすると必ずしもPICマイコンが安価であると言い切っていいのか疑問を持っています。 もう一つ選択される理由があります。それは巷で情報が多いということです。趣味で電子工作をされている方がWEBに掲載されていますし、書籍も多いので導入し易いイメージがあります。国内メーカーのマイコンも情報は十分ありますし、導入が困難なことは比較的少ない傾向になってきています(今は、ほとんど感じません)弊社でもPICマイコンや国内メーカーのマイコンを入手するルートを持っていますし、開発経験もありますので特別問題はないのですが、製作したい製品にPICマイコンが適しているのかどうかはよく検討する必要があってもいい様に思います。 最後に、入手性の良し悪しはものづくりをする上では欠かせない重要項目です。PICも国内メーカーも入手性は簡単に比較調査できません。自社がどれだけ頑張って入手できるのか?今現在の時点で市場に採用予定の型番が流通しているのか?など不確定要素が多分にあります。結局、自社で入手するにしても付き合いのある商社や代理店がどこまで動いてくれるのかに尽きたりします。この問題はいつも表に出てくる話になってきます。

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