製品化までに必要な費用

お問い合わせされる方の中には、全く「ものづくり」の流れをご存知でない方も多いと思います。流れを知らないために、概要を聞いてから「製品になるまでにそんなに費用がかかるの!」という驚きも少なくありません。では、何にどの程度費用が発生するのか具体的に書いていきます。

まずは、製品化までに費用がかかる項目を列挙します。

・回路設計費(ソフト設計があればソフト設計費も含む)

・試作製作費(試作回数によって異なる)

・基板設計費

・基板製作初期費用

・実装初期費用

●設計費

仕様にもよりますが、設計にかける時間が大きいほど費用は上がります。単純に設計時間と考えても大きく外れないと思います。よって、基本的には規模が大きくなれば設計にかかる時間も増えますので費用は大きくなります。他の要因としては、回路設計者の熟練度にも影響されます。ベテランの設計者が1時間で設計できる業務を、新人が2日で設計すれば2日分の費用となってしまいます。ソフト設計が必要な製品であれば、回路設計費+ソフト設計費となります。

・試作製作費

設計が完了したあと、動作確認をせずに済むことはありません。後ほど説明しますがいきなりプリント基板を製作することはしません。まずは必要な部材を集めて、数台手作りで設計通りに製作して動作の確認を行います。これを「試作」と呼んでいます。

この試作で設計通りの動作や性能・精度が得られていなければ、修正や検討をしなければなりません。選定した部品が悪かったり、そもそも設計が悪かったりすることがあるので、修正や検討の内容を反映するために、再度必要な部品を集めて試作を行います。この作業が何回必要になるのかで試作に必要な費用が決まります。業界用語で「1次試作」、「2次試作」といった言葉がありますが、試作も回数を重ねるといつの試作なのか管理が必要になりますので、フェーズを表す言葉になります。

・基板設計費

ここからはプリント基板製作に向けての工程になります。ここでの設計はプリント基板に配線されている「パターン(銅線)」をどのように配線させ、指定部品をどこに配置するのかを設計してもらいます。ここでの設計は回路図を元に配線するのですが、プリント基板の基板サイズに合うように部品を配置したり、パターン幅を電流量から設定したり、リード部品であれば端子を挿入する穴を基板に開けないといけません。つまり、部品・線などのオブジェクトを実際の物理領域に落とし込む作業を行います。回路図は基本的には接続図でしかありません。

・基板製作初期費用

ここでは、基板設計のデータ通りにプリント基板を製作するための準備費用が必要になります。詳細は長くなるので別の機会として割愛しますが、プリント基板の多くは1枚ずつ製作されているわけではありません。数枚を1つのシートとして面付けされて製作されることが多いです。分かりやすいイメージは、板チョコのような感じでしょうか。同じサイズの基板が引っ付いて1枚の板になって製作されます。同じ品質で複製するための準備に費用がかかるのです。

・実装初期費用

プリント基板が出来上がったら、部品を実装していかなければなりません。数台であれば自分で実装しても良いと思われるかもしれませんが品質が安定しませんし、部品点数が多いとコストが合いません。そこでマウンターと呼ばれる実装機で短時間に大量の基板に実装作業を施してもらいます。そのための準備として、どの部品をどこの位置に実装させるのかを機械に指示するプログラムを設計してもらいますので設計費用がかかります。

次に、半田を塗布する場所と塗布しない場所(してはいけない場所)がプリント基板上にはあります。実装時にきちんと分けなければなりませんので、メタルマスクと呼ばれる金属板で塗布しない場所を隠します。この金属板を製作してもらうのにも費用がかかります。

ここで述べた内容はかなり大雑把な内容になります。厳密には表現や言い回しが適切ではない箇所もあると思いますが、大体のイメージとしてください。上記工程を経て製品が出来ていくわけですが、上記一連を経て製品化までにざっと100万はかかるところです。検査や公の機関での試験費用は含んでいませんし、開発したい製品によっては設計費が大きくなることもありますので、一概に100万円とは言えません。ここでの内容でお伝えしたいのは製品化までにかかる金額単位が分からない方に目安として80万前後~数百万は必要になることを綴っています。これはあくまで参考価格のため必ずこの価格になるというわけではありませんが、10万、20万で製品化ができるわけではないことをご理解ください。

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